私たち日本人は昔から12月の冬至のとき「ゆず湯」に入る習慣があります。「ゆず湯」に入ると肌がスベスベになる美肌効果があったり、冷え性やリュウマチにも効果があり、体が温まってカゼをひかないともいわれています。
これらの効能は、ゆずに含まれている芳香成分(精油)の働きによるものといわれています。ゆずの精油にはピネン、シトラール、リモネンなどの物質があって、これらは新陳代謝を活発にして血管を拡張させて血行を促進。
ノミリンなどには鎮痛・殺菌作用があるので、体が温まり、カゼも治るのです。
また、ゆずにも含まれているビタミンCが肌にいいことは広く知られており、リモネンは皮膚に膜を作って、肌の水分を逃がさないようになっています。
香りのいい「ゆず湯」はリラックス効果も期待でき、まさに日本式のアロマテラピー(自然療法)といえるでしょう。
オーストラリアの一般家庭の救急箱には、高い殺菌効果があることで知られているティートリーのエッセンシャルオイル(精油)が万能オイルとして入っていて、すり傷や切り傷の消毒、水に1〜2滴垂らして「うがい」に使って風邪の予防をしたり、口臭を抑えたりしています。
また、第二次世界大戦中は、オーストラリア陸軍も消毒剤として携行したそうです。
アロマテラピー(自然療法)とは言えなくとも、植物を利用した自然療法は古くからそれぞれの地域でその自然環境に合った植物を上手に使っておこなわれてきました。
私たちは昔から植物と共に暮らし先人の知恵により、その恵みを有効活用してきたのです。